太陽光発電は「全量買取」ではなく「余剰買取」の時代へ
2019/01/10

電気料金の値上がりとFIT買取価格の下落を背景に、太陽光発電ビジネスのトレンドは変わりつつある。FIT単価が電気料金単価より安い時代は、電気を電力会社から買うのではなく、自分で作った電気を使った方がお得だ。
自家消費モデルは
FIT余剰買取で
FITによる売電だけで収益を得る「全量売電モデル」から、自ら使う「自家消費モデル」へ。電気料金の値上がりとFIT買取価格の下落を背景に、太陽光発電ビジネスのトレンドは変わりつつある。FIT単価が電気料金単価より安い時代にあっては、つくった電気をFITで売るより、電力会社から買う電気の代わりに使った方がお得だ。電気を多く使う施設なら、なおさらだろう。
これまで10kW以上の太陽光発電設備を導入する場合、FIT制度においては「全量買取」を選ぶのが普通だった。しかし、10kW以上でも「余剰買取」を選ぶことはできる(10kW未満の場合は余剰買取のみ)。これを利用すれば、まずは自家消費をして、余ったら売るというスタイルが可能になる。余剰買取だからといって、買取期間が短くなることはない。全量買取と同様に20年間だ(10kW未満は10年間)。もちろん、太陽光発電だけでは電気が足りないというときは、電力会社から買えば良い。余剰買取は、賢いエネルギーマネジメントを可能にする、これからの選択肢だ。
FIT期間はどちらも20年間!
※10kW以上の太陽光発電設備の場合
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載