工場屋根に太陽光発電設備を導入する金銭的メリットは?
2019/01/11

工場・倉庫屋根に太陽光発電設備を導入する金銭的メリットを、どう考えれば良いのか? 自家消費モデル(余剰買取スキーム)のメリットが最大に発揮されるのが、電力消費量の多い施設だ。これまで電力会社に払っていた電気代を自前の太陽光発電で賄うことができれば、工場の収益性は大きく高まる。
電気代削減額から
太陽光の利回りを計算
太陽光発電設備を導入する金銭的メリットを、どう考えれば良いのか? これまで(全量買取の場合)は、主に導入コストと売電収益の関係で利回りが導き出された。しかし、これから(余剰買取の場合)は、導入コストと電気代削減額の関係で利回りを考える。そこに余剰買取による収益が上乗せされるという構造だ。電気料金の上昇とFIT買取価格の下落により、余剰買取スキームのメリットはどんどん大きくなっている。このトレンドが変わることはないだろう。
電気を多く使う工場なら
自家消費メリットも大きい
自家消費モデル(余剰買取スキーム)のメリットが最大に発揮されるのが、電力消費量の多い工場などの施設だ。これまで電力会社に払っていた電気代を自前の太陽光発電で賄うことができれば、工場の収益性は大きく高まる。さらに、電気が余ればFITで買い取ってもらえるのだから無駄がない。
工場には、大きな屋根がある。この屋根を使って収益性アップが図れるのなら、使わない手はないだろう。ただ、かつては導入コストが高く、設置することに二の足を踏んでしまう工場オーナーも多かった。しかし、太陽光発電設備のシステム価格は、ここ5年で大幅に安くなっているのだ。
●事業用太陽光のシステム費用の推移
出典:経済産業省
そして、電気代の上昇は続いている。導入コストの回収に要する期間が、さらに短くなっていくことは間違いない。工場の屋根なら、野立ての太陽光発電設備とは違って土地代や造成費用がかからないので、システム価格の低下が導入コストの低減に直結するのも嬉しいところだ。
取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載